代表挨拶
継ぎたくても、
継げませんでした。
学校が終わってランドセルを置く場所は、家ではありませんでした。
東京の下町、足立区にあった、親が営む小さなアパレルの会社です。
その事務所の扉を開けると、かばんやベルトになる前の革が、床にも作業台の上にも置いてあり、部屋いっぱいに革独特のにおいが充満していました。
奥では裁断機の音がして、従業員の方が手を動かしている。
その脇に空いた机がひとつあって、そこが私の場所でした。
ランドセルを下ろし、革の切れ端を端に寄せて、宿題を広げる。
手が足りないときは呼ばれて、私も手を動かします。
商売人の見習いのようなものでした。
手伝いが終わるとお小遣いをもらって、お菓子を買いに走る。
それが私の日常でした。
いつか自分がこの会社を継ぐのだと、疑ったこともありませんでした。
しかし13歳のとき、その会社はなくなりました。
つらかったのは、会社そのものよりも人のほうでした。
よく話しかけてくれる従業員の方がいました。
最後に顔を合わせた日が最後になるとは、そのとき私は知りませんでした。
別れを言うタイミングもないまま、それきりです。
あの人がその後どうなったのかを、私はいまも知りません。
父は、経営に向いた人ではありませんでした。
ものをつくる人で、職人というより、どこか芸術家に近い人でした。
腕はあった。
商品もあった。
ただ、会社を続けるための経営が、そこにありませんでした。
もしあのとき、経営を任せられる人が外から入っていたら。
あの会社は残っていたと思います。
会社がなくなるというのは、会社だけがなくなるということではありません。
そこで働いていた人の生活も、その家族も、一緒に動きます。
私はそれを、外からではなく内側から見ました。
いま私たちがやっているのは、その一点です。
継ぎたくても継げない人がいます。
ご親族に継ぐ意思がなく、社内にも任せられる人がいないオーナー様。
そして、継ぎたかったのに継げなかった、かつての私のような立場の人間も。
まだ継げるうちに、経営のできる人を外から迎える。
それができれば、会社は残ります。
雇用も、その周りにいるご家族も守れます。
PEファンドの投資先も、M&Aで買われた子会社も、後継者のいないオーナー企業も、私たちから見れば同じ形です。
外から来た人が、すでにある会社を引き継ぐ。
この形の経営には、創業とも社内昇進とも違う技術が要ります。
私たちは、その経験を持つ方だけを集めています。
会社が続くかどうかが、たまたま身内に継ぐ人がいたかどうかで決まってしまう。
私は、それを当たり前のことだとは思っていません。
継ぐ人がいなくても、託せる人がいれば会社は続きます。
その一手が当たり前になった先には、失われずに済んだ会社と、守られた雇用と、その向こうにあるご家族の暮らしがあります。
13歳の私が失ったものは、本当は失わずに済んだはずのものでした。
会社を続けるための手立ては、ほかにもあると思います。
資本を入れる。
仕組みを変える。
外から助言する。
それでも私が「人を紹介する」という手段を選んだのは、あのとき足りなかったのが、お金でも仕組みでもなかったからです。
会社を動かせる人が、ひとりいなかった。
それだけでした。
だから私は、経営を担える人をお連れすることにしました。
その一人が入るだけで、続くはずだった会社が続きます。
守られるはずだった雇用が守られ、その向こうにいるご家族の暮らしが変わらずに済みます。
いい会社が、経営する人がいないという理由だけでなくなっていく。
その一つひとつを減らしていくために、私たちはこの仕事をしています。
代表取締役社長
佐野 弘晃
会社概要
- 会社名
- ペルソナ株式会社(Persona Inc.)
- 設立
- 2019年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 佐野 弘晃
- 所在地
- 〒105-0004 東京都港区新橋1丁目18番21号 第一日比谷ビル7階(受付5階)
- 電話番号
- 03-6403-3215(代表)
- 事業内容
- ハイクラス転職に特化したヘッドハンティング事業
- 許認可
- 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-312164
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