CEO転職の年収は、募集要項を見ただけでは分からないことが多い。理由は単純で、CEOクラスの案件はそもそも非公開で進むため、比較対象となる相場情報自体が世に出回らないからだ。相場を掴むより先に確認すべきなのは、「その案件の採用予算が、すでに確定しているかどうか」である。
なぜCEO転職の年収相場が見えないのか
一般的な転職では、求人サイトに年収レンジが明記され、相場感を横並びで比較できる。しかしCEO・CXOクラスの案件は、ヘッドハンター経由で非公開のまま進むことがほとんどで、そもそも比較材料となる公開情報が存在しない。企業側も、経営方針や後継体制の変化を外部に悟られたくないため、年収条件を含めて表に出さない。
結果として「CEO 転職 年収」を検索しても、断片的な情報しか得られない。相場を推測することより、個別の案件で条件がどう決まっているかを、選考の過程で確認していくほうが現実的だ。
同じ「CEO」という肩書きでも、上場企業の後継者、PEファンド投資先のバリューアップ担当、事業承継先の第三者承継など、案件の性質によって条件の決まり方はまったく違う。一律の相場を探すこと自体が、あまり意味を持たない。
交渉で見落とされがちなリスク:予算が確定していない案件
見落とされがちなのは、年収水準そのものより「その案件に採用予算がついているかどうか」というリスクだ。当社の支援実績でも、最終面接まで進み、企業側の評価も良好だったにもかかわらず、クライアント側で採用予算が確保できず、そのままクローズになった案件がある。候補者のスキルや評価に問題があったわけではない。企業側の意思決定プロセスの都合で、条件面が最後まで詰め切れなかったケースだ。
これは特殊な例ではない。経営トップクラスの採用は金額が大きいため、選考の途中で稟議や取締役会の承認が必要になることも多く、そこで条件が動く、あるいは止まることがある。
年収交渉を有利に進めるために確認すべきこと
- 予算が確定した状態から選考が始まっているか。 当社が扱う案件は常時50件前後あり、その9割は予算確定済みの状態から動き出す。予算未確定のまま進む案件は、条件面で振り出しに戻るリスクがあると考えたほうがよい
- 決裁ラインを早い段階で確認する。 誰の承認があれば内定条件が確定するのかを、選考の初期段階でヘッドハンターや企業側に確認しておく
- 希望年収の伝え方を工夫する。 市場価値を毀損しない伝え方については、希望年収の考え方の罠も参考にしてほしい
ヘッドハンターに確認すべき質問
選考が進んでからではなく、初回の面談の段階で確認しておきたいことが2つある。1つは「この案件の予算はすでに確定しているか、それともこれから社内調整するのか」。もう1つは「最終的な条件決定に、何名の承認が必要か」だ。この2つに明確な答えが返ってこない案件は、条件面で時間がかかる、あるいは途中で止まる可能性を織り込んでおいたほうがよい。
逆に、予算が確定済みで決裁ラインが明確な案件は、選考から内定までのスピードが速い傾向にある。当社の案件も、預かってから1〜2週間程度で複数名を推薦できる体制を取っているのは、企業側の準備が整っている案件を優先的に扱っているためだ。
CEO転職の年収は、相場情報を集めるより、案件ごとの予算確定状況と決裁ラインを見極めることが結果を左右する。PEファンド投資先の経営体制など、当社が扱う非公開の経営ポジションはこちらから確認できる。
