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事業承継ファンド運営の核は「資本と経営の調和」。経営者人材に必要な3つの資質とは?

日本プライベートエクイティ株式会社

  • マネジメント
事業承継ファンド運営の核は「資本と経営の調和」。経営者人材に必要な3つの資質とは?
Interviewer Profile

代表取締役社長 法田 真一 様

1989年大学卒業後、商工組合中央金庫に入庫。1991年、日本アジア投資株式会社(当時の日本アセアン投資株式会社)に入社し、主に地方を中心にベンチャー企業への投資を行う。その後、ペンチャーキャピタル投資のノウハウを活かしながら、日本アジア投資の新規事業の一環として2000年にバイアウトファンド事業を担う日本プライベートエクイティ株式会社を立ち上げ取締役に就任。2005年、日本プライベートエクイティ株式会社 代表取締役社長に就任。

代表取締役社長
法田 真一 様

1989年大学卒業後、商工組合中央金庫に入庫。1991年、日本アジア投資株式会社(当時の日本アセアン投資株式会社)に入社し、主に地方を中心にベンチャー企業への投資を行う。その後、ペンチャーキャピタル投資のノウハウを活かしながら、日本アジア投資の新規事業の一環として2000年にバイアウトファンド事業を担う日本プライベートエクイティ株式会社を立ち上げ取締役に就任。2005年、日本プライベートエクイティ株式会社 代表取締役社長に就任。

Requests

依頼した内容

  • 投資先中小企業の代表取締役社長の採用支援
  • オーナー企業から組織経営へと移行を進める中で「守りながら攻めることのできる人材」
Recruited Personnel

採用できた人材

  • 業界未経験ながら豊富なビジネス経験と現場感を持つ人材
  • 経営者を志向する強い想いを持った人材

事業承継ファンドの先駆けとして中小企業の事業再編をサポート

事業承継ファンドの先駆けとして中小企業の事業再編をサポート

■ペルソナ:
御社のご紹介、及び概況について教えてください。

■法田様:
日本プライベートエクイティ株式会社は、2000年に設立され、今年で23年目を迎える「バイアウト(Buy-Out)ファンド」です。事業承継ファンドの中では先駆けとして、中堅・中小企業に特化して事業承継や事業再編のお手伝いをしてきました。

当時は中小企業をターゲットとするプライベートエクイティ(未公開株式)ファンドはありませんでしたが、現在はマーケットとしてどんどん大きくなってきています。後継者がいないことに悩む中小企業はこれからも増えてくる中で、第三者継承の一つの選択肢にファンドは位置付けられつつあります。事業承継と一言で言ってもさまざまなニーズが顕在化してきており、それに応えていかなければと感じています。

最近では、東京都から直接出資していただき、東京都内の中小企業や小規模事業者の事業承継を支援するファンドを運用している他、JR四国のみを出資者とするプライベートエクイティファンドも新たに立ち上げました。常に新しいことにチャレンジして、投資家やマーケットのニーズに応えようとしているところです。

ファンド運営は「どんな人材に経営を任せるか」がとても重要

ファンド運営は「どんな人材に経営を任せるか」がとても重要

■ペルソナ:
バイアウトファンドを運営するうえで、成功のポイントとなるのはどのような点でしょうか?

■法田様:
中小企業に資本と経営を提供するのが事業承継ファンドです。「資本と経営の調和」が重要であるがゆえ、誰に経営を任せるかは大きなポイントとなります。

ファンドから資本はもちろん提供できますが、それだけではうまくいきません。「資本」と「経営」の両輪で進めていく必要があります。スタートアップ投資の場合は、起業家である経営者に投資をするものですが、事業承継の場合は、経営者はいなくなり、その後に残される事業に投資をするので、その事業を誰に任せるかが重要になってきます。

ファンドは、経営はわかっても個々の事業について精通しているわけではありません。そのため、外部から経営人材を採用するのか、プロパー社員を経営者にするのか、あるいは補完する人材を入れていくか、といった面でいかに経営を組み立てていくかが成功のポイントだと考えています。

■ペルソナ:
経営者人材の採用で、今までミスマッチを感じたことはありますか?

■法田様:
採用時点でミスマッチを感じることはありません。経営を任せる人材を採用する時は決して妥協しません。多い時には70人以上ものリストの中から1人の経営者を決めるときもありました。「この方になら任せられる」という人にお会いできるまで、妥協せずにひたすら会い続けます。

ミスマッチを感じるとすれば、採用後にそれなりの時間が経ってからです。もちろん採用したときは「この人だ」と思って一緒に働き始めるのですが、時間が経てば人は変わりますし、見極めきれていなかった点もあります。会社の業績が順調だと天狗になる人だったり、反対に業績が振るわないときは意外とストレス耐性がなかったりすることが判明したり、などです。そうしたときに、経営者を交代するのか、どう軌道修正をしていくのかなど、株主として、社外取締役としてのファンドの役割となります。

経営者に必要なのは「ビジョン」「リーダーシップ」「バランス感覚」

経営者に必要なのは「ビジョン」「リーダーシップ」「バランス感覚」

■ペルソナ:
採用上の課題や、採用時に重視している点を教えてください。

■法田様:
経営者人材が常に不足していることは課題です。当社では、いわゆるプロフェッショナル経営者といった方を採用するよりも、「プロフェッショナル経営者を一緒に目指す人」を採用することがほとんどです。子会社社長や中堅・中小企業の経営経験など何らかの経営感覚を持っている必要はありますが、バリバリのプロフェッショナル経営者でなくていいです。それよりも「この人が会社に入って社員のみんなに馴染めそうか、今のオーナー社長の席に座っていることを想像して違和感がないか」といった観点で、中小企業で手触り感をもって経営できるかどうかといった点を重視しています。

経営者として求める要件を具体的に上げるとすれば、「ビジョン」「リーダーシップ」「バランス感覚」の3つを常に意識しています。

まず、この人がこの会社のリーダーになったらどんなビジョンを描いてくれるのか、それはファンドが思い描いて投資したものと重なるのか、それ以上なのか、会話をする中で探っていきます。

経営者は社内外の人を巻き込んで動いていかないといけないので、リーダーシップも重要です。中小企業で席に座っていて経営ができるわけもなく、みんなと一緒に苦労してリーダーシップを発揮してくれる人なのかどうかも見ています。

中小企業は大企業以上にさまざまな人と関わるため、バランス感覚も必要です。株主であるファンド、LBOローンの出し手である銀行とも付き合っていかなければなりません。また、社内では、若手からシニアまで従業員とも目線を合わせていく必要もあります。そういう中でバランス感覚を持っていろんな人と付き合っていけるのかは重要ですね。

■ペルソナ:
そういった資質を見極めるためには、採用までには何度も面接を行うのでしょうか?

■法田様:
基本的に、対面1回の面接で決めています。会った瞬間の雰囲気や会話のなかで、その人が投資先企業の人と一緒にやっていく姿がイメージできたら採用を決めています。

1回目の面接から社長が担当するのは珍しいとよく言われます。でも、応募書類だけ見ていると、「なんとなく今すぐじゃないけど会っておこうかな」とか、そこまで採用のイメージができない場合でも、実際会ってみるとこの人ならこっちよりもあっちがいいとか発想が広がることもあるんです。採用には至らなくてもお付き合いが続いている方もいますし、そういう閃きがあることは、社長が初回から直接面接する良さですね。

ただ、それもエージェントとの信頼関係があってこそだと思います。変化球を投げられても何か感じて投げてくれたボールだろうから1回受け止めておこうという信頼感があると、こういう閃きにつながります。

ペルソナは経営人材に対する理解も深く、紹介の精度が高い

ペルソナは経営人材に対する理解も深く、紹介の精度が高い

■ペルソナ:
弊社サービスを選んでいただいた理由を教えてください。

■法田様:
ペルソナさんは佐野社長が若くして立ち上げたスタートアップの会社でありながら、若い人ではない周囲のいろいろな方々をうまく巻き込んで経営をしている感が醸し出されていたので、他のエージェントとはなにか違うなと感じました。

いろいろなエージェントから営業メールをもらいますが、佐野社長からのメールはメッセージから想いが伝わってくるようで「会ってみたい」と思わせる経営者でしたね。

また、担当の鳴海さんは、1を話せば2も3もわかってくれるようなフィット感がありました。これまでのビジネス経験の中で経営的な思考もお持ちになっていて、経営者や経営を志向する人の気持ちも理解している。そういう人でないときっと一緒には走れないし、おそらく紹介もできないと思います。

実際、やりとりを重ねていくたびに返ってくるボールの速さや精度が高まっているんです。しかも、ストレートかボールかだけでなく、途中で変化球も交えてくれるので、発想が広がるのが良いですね。わかったうえであえていろいろな球を投げられるのはエージェントとしてのセンスかと思いますし、一人一人、1社1社丁寧に向かいあえる小規模なエージェントならではのメリットですね。

■ペルソナ:
今回どのような人材を求めていたのか、また弊社から紹介させていただいた方に決めた理由を教えてください。

■法田様:
ファンドの投資先である、業歴50年の中小企業の代表取締役社長を探していました。会社の置かれている状況や成長ステージに応じて、経営者に求められる役割も違います。今回は、オーナー企業から組織経営へと移行する中で「守りながら攻めることのできる人材」が必要でした。

採用した方は、複数の業種業態の現場での豊富な経験とたくさんの苦労をしている方で、経営的な目線をもちながら自らも手を動かして実務をこなし、現場を動かしてこられた方でした。いろいろな目線でもって考えて動ける方であることや、経営者という仕事を志向する強い想い、まっすぐで正直なところに惹かれました。一緒に仕事をしたい、互いの想いを実現したいと感じて採用に至りました。

日本で唯一無二のプライベートエクイティファームを目指して

日本で唯一無二のプライベートエクイティファームを目指して

■ペルソナ:
出資先の経営者というポジションだけでなく、貴社の社員として出資先の経営を支援していくというポジションでも募集されています。ファンドの中から経営者をサポートする魅力や、必要な素質はどういった点でしょうか?

■法田様:
ファンド会社での仕事は、若手でも今まで経験してきたことをいろいろな形で活かしながら次のステージを目指せるのが良いところです。プライベートエクイティという世界のなかで、金融と実業、経営と現場実務など幅広く経験できるので、その先には、ファンドマネージャー、経営者、プロのCFO、投資先への転職、独立起業など、やればやるほどさまざまな道が見えてくるので、40代、50代、その先も含めての選択肢がとても広がる仕事だと思います。

将来的に経営者になるか、経営に近いポジションで活躍したくて入社される方も多いですが、投資先の経営者ポジションとは少し違う素質は必要になります。ファンドで働くとなれば、経営のわかるサラリーマンともなって営業としての能力も必要とされます。投資先となる会社をどうやって見つけてくるか。この人だったら自分の会社任せてもいいとオーナーに思ってもらえる人になれるかどうかも重要です。ただ、いずれにしても人間力が必要な仕事ではありますし、投資先の経営者に伴走しながら、経営の疑似体験はできるので、経営に興味があるのなら通じるところも多々あるので面白い仕事です。

■ペルソナ:
最後に今後の展望や、弊社に期待すること・ご要望をお聞かせください。

■法田様:
中小企業の事業承継を背景に中小のM&Aは今後も確実に増えていくので、投資家目線で何を提供していくかを考えていく必要があります。売り手のニーズも多様化し、事業承継問題の解決策というだけでなく成長戦略のひとつのツールとしてもファンドが認識されてきました。これからも『ファンドマネジメントを核として、中小企業に“良質の資本”と“高度な経営”を提供する日本で唯一無二のプライベートエクイティファーム』を目指していきます。

ペルソナさんは、かゆいところに手が届くような提案で、素晴らしい出会いをつくってくれる、ありがたい存在です。一見意外なように思えても、ムダのない、意味のある選択肢を用意してくれているので、思いがけない人を引き合わせてくれます。これからも一緒に気持ちのいいキャッチボールを続けていきたいと思っています。

社名
日本プライベートエクイティ株式会社
事業内容
MBOファンドの管理運営、コンサルティング業務
従業員数
10名

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